建築物環境衛生管理技術者について

資格について

■建築物環境衛生管理技術者とは

建築物環境衛生管理技術者は、建築物や施設の環境衛生管理を専門的に行う技術者のことを指します。建築物や施設内の環境衛生を維持し、改善するための専門知識とスキルを兼ね備えています。

建築物環境衛生管理技術者は、建築物の種類や用途に応じて異なる要件や規制に対応する必要があります。彼らの活動は、人々の健康と快適さを確保するために不可欠な役割を果たしています。

■建築物環境衛生管理技術者の主な仕事内容

建築物環境衛生管理技術者の仕事は、建築物や施設の環境衛生を管理・維持するために広範囲な業務を担当します。

室内空気品質の管理: 建築物内の室内空気の品質を確保するために、適切な換気システムの設計・運用、空気中の有害物質や微生物のモニタリング、空気清浄装置の設置などを行います。必要に応じて、空気中の二酸化炭素や揮発性有機化合物などの濃度を測定し、健康的な居住・作業環境を保つ努力をします。
水質管理: 建築物内の水供給システムと排水システムを管理し、飲用水や使用水の品質を維持します。水質のモニタリング、水道水処理の運用、浄水施設の点検、排水処理の適切な管理などが含まれます。
廃棄物管理: 建築物内で発生する廃棄物の適切な分別、収集、処理を監督します。リサイクルや廃棄物の最小化に関する方針を策定し、廃棄物の適切な処分施設への運搬を調整します。
衛生対策と防疫措置: 感染症や疫病の拡大を防ぐために、建築物内での適切な清掃・消毒プロトコルを確立し、衛生管理を行います。特に公共の場所では、手指の衛生対策、定期的な清掃、適切な間隔の確保などを促進します。
施設保守と点検: 建築物内の設備や構造の定期的な点検、保守作業を計画・実施し、問題や損傷を早期に検出して修復します。これにより、施設の安全性や機能性を確保します。
法規制とコンプライアンスの管理: 建築物環境衛生管理技術者は、関連する法律や規制に従って業務を遂行する役割を果たします。必要なライセンスや許可を取得し、法的要件を満たすように努めます。

建築物環境衛生管理技術者は、健康と環境に関する専門知識を駆使して、建築物内部の環境を最適化し、人々の生活や作業の品質を向上させる重要な役割を果たしています。

■建築物環境衛生管理技術者の資格

建築物環境衛生管理技術者とは、厚生労働大臣免許の国家資格です。
建築物環境衛生管理技術者の試験を受けるには、オフィスビル、商業施設などの建築物の環境衛生上の維持管理に関しての実務経験が2年以上必要となります。

試験は、建築物衛生行政概論、建築物の構造概論、建築物の環境衛生、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ・昆虫等の防除の７科目です。

■建築物環境衛生管理技術者の活躍の場

建築物環境衛生管理技術者は、さまざまな場所で活躍することができます。建築物環境衛生管理の専門知識とスキルは、建築物や施設の環境衛生を管理するために広範な分野で需要があります。

建築業界: 建築物や施設の設計、建設、運用段階において、室内空気品質、水質管理、廃棄物管理、環境衛生の側面を担当します。建築プロジェクトの計画から竣工までの各段階で環境衛生の専門家として関与します。
不動産管理会社: 不動産管理会社では、居住用や商業用の建物の環境衛生管理を担当します。入居者やテナントの健康と快適さを確保するために、空気品質や水質の管理、清掃・消毒、設備の点検などを行います。
公共施設: 公共の建物や施設、例えば学校、病院、公共交通機関などでは、大勢の人々が利用するため、衛生管理が特に重要です。建築物環境衛生管理技術者は、感染症対策、清掃・消毒、室内空気の品質管理などを行い、健康な環境を保ちます。
企業内施設管理: 大企業や組織の本社やオフィスビルでは、従業員の健康と快適な作業環境を確保するために建築物環境衛生管理技術者が重要な役割を果たします。室内空気の品質、照明、温度管理などがその一部です。
ヘルスケア施設: 病院や医療施設では、感染症管理や病原体の拡散を防ぐために環境衛生が重要です。建築物環境衛生管理技術者は、清潔な環境を維持するために必要な対策を講じます。
研究機関やコンサルティング企業: 環境衛生に関する研究機関やコンサルティング企業では、専門的なアドバイスや調査を提供する役割を果たします。環境評価やコンプライアンスの評価など、専門的な知識を求められる場面で活躍します。