左官工事業とは、住宅や店舗、公共施設などの建築物の内外装において
石膏、セメント、漆喰などを使い、塗り・盛り・はめ殺し・張りなどの技法を用いて
壁面や天井面などの仕上げを行う業種のことを指します。
左官工事業者は、以下のような業務を行います。
- 壁面や天井面に、石膏、セメント、漆喰などの材料を使用して仕上げる内装工事
- 外部に見える外壁の仕上げ工事
- 各種のタイル貼り工事
- 塗り壁、和風土壁、クロスなどの壁紙の貼り付け工事
- 防音、断熱、防火などの特殊な機能を持つ仕上げ材を使用した工事
左官工事は、建築物の内外装の仕上げ部分を担当し、建物の美しさや快適性に大きく貢献します。
建物の設計図面や仕様書を元に、内装仕上げに必要な素材や道具を用意します。
そして、壁面や天井、床などに、石膏ボードやコンクリート、レンガなどの
素材を使用し、美しく仕上げます。
左官工事の主な工程は、下塗り、中塗り、仕上げ塗りです。
下塗りは、壁や天井などの表面を平滑化し、仕上がりの質を向上させるために行われます。
下塗りに使用される素材としては、クリーム状の材料や、モルタル、セメントなどがあります。
中塗りは、下塗りの上にさらに平滑化を施し、仕上げ塗りに備えます。
中塗りに使用される素材としては、化粧モルタルや、シリコン系、
アクリル系、ウレタン系の塗料があります。
仕上げ塗りは、見た目の美しさを追求するために行われ、さまざまな模様を描いたり、
クリーム状の素材を使ってデザインを施したりすることができます。
仕上げ塗りには、和風の漆喰仕上げや、洋風のタイル仕上げなど、多様な方法があります。
また、左官工事業者は、内装仕上げだけでなく、外壁の塗り替えや修繕、
タイル張り、石張りなどの外装工事も請け負うことがあります。
外装工事においても、見た目だけでなく、耐久性や防水性などの
機能性にも配慮した施工が必要となります。
また、内装工事においては、適切な断熱材の施工によって
省エネルギー効果を高めることができます。
近年では、自然素材やリサイクル素材を使用した左官工事が注目されています。
自然素材には、石灰、土、砂、ヒノキ粉などがあり、それぞれの素材に独自の風合いがあります。
また、リサイクル素材には、古い建築物の再利用や
リノベーションに使用されるリサイクル素材があります。
例えば、廃材や再生木材、再生プラスチック、再生鉄、
再生アルミニウム、再生ガラス、再生タイルなどがあります。
これらの素材を使用することで、自然環境に与える負荷を減らすことができます。
左官工事は、技術力を必要とする業種であり、施工技術によっては
美しく仕上げることができるとともに、施工不良によるトラブルが生じる場合もありますので
施工業者を選ぶときは、まず施工実績から見ていく必要があります。